【コラム】スタッフに求めること

当社には私を除き、スタッフが8名おります。正社員として働く人もいれば、パートタイマーとして働く人もいます。最近、正社員に求めることとパートタイマーに求めることに違いはあるのかどうか、違いがあるとしたらどんなところに違いがあるのかという話を身近なスタッフと話し合っています。

…と、この文章を入力しながら、自分の考えを整理しているのですが、まず大前提として、「自分はこのままでよい。スタッフが変わるべきだ」という感覚はやめた方がいいように思います。相手を変えようと思っても、相手が変わることは滅多にありません。そりゃそうですよね。自分だって、人から「あなた、変わりなさい」と言われたって、納得できなければ変えようと思いません。「自分が変わるから相手が変わることがあるのだ」(自分が変わっても相手が変わらないこともある)…という感覚を持った方がストレスなく、相手と関係を築いていくことができるように思います。

この会社は、元々、私がやりたいことをするために設立されました。スタッフは私の仕事を手伝うために仕事をしようと思っているわけではないと思いますが、私の視点からすれば、私がやりたいことを手伝ってくれているわけです。

「給与を支払っているんだから、仕事をするのは当然だ」という感覚もやめた方がいいように思います。

「給与を支払うので、当社で働きませんか?」と求人広告を出しても、ほとんどの人は見向きもしてくれません。そんな中、当社に興味をもって応募してくれて、当社で働く決意をしてくれたのです。

そう考えると、本当にありがたいことです。まずは感謝の気持ちを持って接することが大切なことだと思います。

次に思うことは、スタッフに対するリスペクト(尊敬・敬意)を持って接することが大切だと思います。人間、誰しも得意なことと不得意なことがあります。それは経営者であっても同じです。スタッフよりも飛び抜けて素晴らしい点もたくさんあるでしょうが、残念ながらごっそり抜けている点もあるのが普通です。相手が年下であっても、役職がない人であっても、自分が足りていないところを持っています。当社でいえば、私は人のマネジメントがほぼできません。そんな私の足りないところを、私より9歳年下の2名の男性スタッフが補ってくれています。これも私にとっては感謝の対象であり、リスペクトの対象でもあります。

「感謝の気持ち」「リスペクト」をもって接することが土台となり、その次に来るのが「貢献」です。自分がスタッフにできることは何か?「働く場所の提供」「仕事を通した成長の機会の提供」「快適な職場環境への改善」「スタッフが共感できるビジョンの共有」「一緒に夢を追いかけること」等、いろいろあると思います。しかも、「一度やったから終わり」というものでもなく、継続的にやり続けることが多いです。

特に内心気をつけていることは、社内で気を遣うことがないようにということです。社内の人間関係で疲弊したり、社内に派閥ができたりすると、気持ちが内にこもってしまい、お客様の役に立とうとする、外向きの気持ちがなくなってしまいます。職場を家庭のようにリラックスできる場・あたたかい場とし、リラックスしながらも集中して、お客様に向けた仕事に取り組むことができるよう、心がけています。

自分はスタッフに対して「感謝」「リスペクト」を人間関係の土台にして、スタッフに貢献できているのだろうか?こんな問いが頭の中をグルグル駆け巡っているので、「スタッフに求めること」と言われてもあまりピンと来ず、「その人なりに一生懸命働いてくれていればそれでよい」という結論に至ってしまいます。

こんなんでいいのかな?と思う気持ちもありますが、企業としての大きな成長はないものの、コツコツと年輪を刻むように約22年間やってこれました。スタッフの声に対して謙虚に耳を傾けながら、これからもうしばらく経営を続けていまいります。

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