【コラム】ステキな人と知りあうコツ
「孟母三遷」(もうぼさんせん)という言葉があります。
孟子(もうし)という中国を代表する思想家の一人がいます。孟子がまだ幼かった頃、孟子の母親は、よくない環境はわが子の教育によくないと考え、墓地のそばから市場のそばへ、さらに学校のそばへと三度住居を移した故事から生まれた言葉です。
子ども自身の努力も大切ですが、子どもというのは環境の影響を受けやすいので、親として子供の環境を整えることが大切だということです。
環境の影響を受けるのは大人も同じ。読書好きの仲間が多い環境にいれば、自分も本を手に取ってみようかという気持ちになりやすいですし、尊敬できる人が多い環境にいれば、自分も尊敬する人と同じような行動を取りたくなってくるものです。
チャンスは人を介してやってくるとも言われています。そう考えると、自分に対して、物質的にも精神的にもプラスな何かを与えてくれる人とおつきあいしたくなるものです。
自分に対して、よい何かを与えてくれる人に出会うにはどうすればいいのでしょうか?
私は、自分が周りの人によいものを与える人になるよう取り組むことがコツだと思います。
その際、つきあいたい人だけによいものを与えようとするのではなく、自分につながりがある人に対してよいものを与えることを心がけます。
そのために最初にすることは、「ダメなものを与えない」ことを心がけることです。ダメなものとは、人から元気を奪うようなものごとです。例えば、人の悪口を言わない。嘘をつかない。自分だけを優先しようとしない等のことです。
いくらよいものを与えていても、別なところで悪いものを与えていると、栓の抜けた浴槽にお湯を注ぐようなものです。まずは栓をして、よいものが溜まる受け皿を作ります。
実際には、完璧な人はいないので、時には人から元気を奪ってしまうようなことを伝えたり、よくない態度を取ってしまうこともあります。ただし、意識すれば、ダメなものを与える確率を減らすことはできると思います。
次に「与える」ことです。これはモノを与えるというよりも、「元気を与える」ことに着目するとよいように思います。例えば、「○○で困っている」と言っている人に、困りごとを解決する情報やアイディア、知人を紹介するといったことです。そんなものはないという場合は、相手の話を真剣に聴くだけでもOK。きっと相手は喜んでくれたり、安心したりしてくれます。それは、その人にちょっとだけ元気を与えたことになる…こんな感じです。
コミュニケーションであれば、自分の話はほどほどにして、相手の話に興味関心を持って聴く。自分の話で盛り上がるのではなく、相手の話で盛り上がるような会話を心がける。大半の場合、相手の人は元気になります。
大きな元気を与えられなくても、ちょっとした元気をいろんな人に与え続けることを心がけるようにします。
こんなことを繰り返していくうちに、だんだんと自分の中に「ステキな人を惹きつける磁力」が強くなっていき、気づけば「私もよい人に恵まれた!」と思えるような仲間に囲まれます。
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