健康保険の被扶養者認定の考え方が変わります。

労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いについて、認定日が2026年4月1日以降となる場合には、労働契約で定められた賃金から見込まれる年間収入(他の収入が見込まれない場合)より判定されることになりました。

「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いについて(令和7年10月1日保保発1001第3号・年管管発1001第3号)」によると、具体的には以下の運用となります。

1.被扶養者としての届出に係る者(以下「認定対象者」という。)の年間収入については、認定対象者の過去の収入、現時点の収入または将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入の見込みにより判定しているところであるが、労働契約で定められた賃金(注1)から見込まれる年間収入が130万円未満(注2)であり、かつ、他の収入が見込まれず、 

(1)認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合には、被保険者の年間収入の2分の1未満であると認められる場合(注3)

 (2)認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合には、被保険者からの援助に依る収入額より少ない場合

には、原則として、被扶養者に該当するものとして取り扱うこと。 


2.労働契約の内容によって被扶養者の認定を行う場合は、労働基準法第 15 条の規定に基づき交付される「労働条件通知書」(以下「通知書」という。)等の労働契約の内容が分かる書類の添付及び当該認定対象者に「給与収入のみである」旨の申立てを求めることにより確認すること。 具体的には、通知書等の賃金(注1)を確認し、年間収入が130万円未満(注2)である場合には、原則として被扶養者として取り扱うこと。 なお、労働契約の更新が行われた場合や労働条件に変更があった場合(以下「条件変更」という。)には、当該内容に基づき被扶養者に係る確認を実施することとし、条件変更の都度、当該内容が分かる書面等の提出を求めること。 

3.被扶養者の認定の適否に係る確認時において、当初想定されなかった臨時収入により、結果的に年間収入が 130 万円以上(注2)の場合であっても、当該臨時収入が社会通念上妥当である範囲に留まる場合には、これを理由として、被扶養者としての取扱いを変更する必要はないこと。 

4.給与収入以外に他の収入(年金収入や事業収入等)がある場合における当該給与収入を含む年間収入の取扱いについては、従前のとおりの取扱い(「「 収入がある者についての被扶養者の認定について」(昭和52年4月6日保発第9号・庁保発第9号厚生省保険局長及び社会保険庁医療保険部長連名通知)等に基づくもの)とする。 

5.船員保険法第2条第9項各号に規定する被扶養者の認定についてもこれに準じて取り扱うものとすること。 

6.以上の取扱いは、令和8年4月1日から適用すること。 


(注1)労働基準法第11条に規定される賃金をいい、諸手当及び賞与も含まれる。

(注2)認定対象者が 60 歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては、180 万円。認定対象者(被保険者の配偶者を除く。)が「19歳以上23歳未満である場合にあっては150 万円。

(注3)当該要件を満たさない場合であっても、当該認定対象者の収入が被保険者の年間収入を上回らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当するものとして差し支えないこと。

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