【コラム】意味を創る
「あなたにとって、生きる意味は何ですか?」
このように尋ねられたらあなたは何と答えますか?人によってさまざまな答えが出てきそうですね。社会に貢献するため、人格を磨くため、次世代の人達のためによりよい世の中を作ってバトンタッチするため、人生で起きること全てを楽しむため…等々。
同じように、「あなたが働く意味」「あなたが子供を育てる意味」「あなたが親を介護する意味」といったことについても、人によってさまざまな答えが出てきそうです。
人によってさまざまな答えが出て、その多くは「確かにそう考えるのもうなづける」という答えになるということは、究極のところ、誰にも通用する唯一絶対の意味はないということなのだと思います。
「あなたにとって幸せとは?」「あなたにとってお金とは?」「あなたにとって愛とは?」…というたぐいの問いに対する答えも同じ。人によって答えが違うということは、やはり、「たった一つの正解」というものは存在しないということです。
もっと身近な例をご紹介します。
朝起きたらカーテンの隙間から朝日が挿し込んでいます。その朝日の光を見て何を思うか?
家族と朝の挨拶を交わしました。家族の顔つきを見て、あなたは何を思うか?
…自分が見たもの、聞いたものなど、五感で感じることについて、あなたはちょっとした意味を作っていきます。他人と話すと、他人の言葉、顔つきや態度から、あなたは「この人は○○な人」という具合いに、他人を評価・定義していきます。
今の時期でしたら、外に出ると暑いです。暑いことに不快感を感じる人もいますし、「だからかき氷が美味しくなるんだ!」とワクワクする人もいます。
カーテンの隙間から朝日が挿し込むことにも、家族の顔つきにも、他人にも、暑さにも、全員に共通する唯一絶対の意味はありません。絵のイメージでいうと、自分の身に起きる出来事は、全て真っ白なキャンバスのような状態なのです。
一つ一つの出来事に自分なりの意味をつける。この「意味をつける」ことが白いキャンバスに「色をつける」ことになります。
したがって、複数の人が全く同じ出来事を経験したとしても、一人一人、その出来事に対する解釈が異なるため、自分なりの色でその経験を塗っていくことになります。
私たちの多くは、「普通、こう思うよね」「○○としか思えない!」という具合いに、解釈の仕方を固定化してしまいがちです。あるいは、心が感じるままに任せてしまいます。そうすると、昨日と同じような色合いの絵にしかなりません。
「そもそも、決まりきった意味なんかないのだ。だったら、自分が幸せに感じるような意味として解釈できないか?」と考え方の切り口を変えてみる。自分自身で自分の身に起きる出来事に対する解釈を創り出してみるのです。すると、いつもと違う色合いで、今日一日の絵を描くことができるかもしれません。
起きる出来事は変わらなくても、出来事に対する解釈次第で、自分の幸福感を左右することができます。ご興味ございましたら、ぜひお試しいただけますと幸いです。
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