【コラム】中野人事法務事務所22年目に入りました。

当事務所は2003年11月1日に創業しましたので、現在、創業22年目に入りました。

当時住んでいた自宅マンションの北側の一室を片づけ、テーブルとパソコン、本棚、プリンターを設置して仕事始め。・・・といっても何の仕事もありませんので、まずは開業のおハガキを作成し、ご縁ある175名の方々にお送りしました。

前職でおつきあいしていた社長さんや人事担当の方からお問い合わせが来るかなーと思っていましたが、そういう方からの反応はほぼゼロ…。

一方、サラリーマン時代に一緒に仕事をしたり呑んだりしたりした方、大学時代の友人、私の情けない仕事ぶりを叱り続けていた元上司など、失礼ながら「一応、ハガキを出しておこう」と思っていた方からの反応がありました。

今振り返ってみると、社長さんや人事担当の方は私とつきあっていたというより、私を通して、私が勤めていた会社の社長さんとおつきあいしていたのだと思います。そして、私はお客様と仕事上のコミュニケーションをしていただけで、人としてのおつきあいをしていなかった。これが大きかったように思います。

一方、反応があった方は、私のダメなところも含めて、素の自分とおつきあいしてくれた人ばかり。そして、その数はごく少数。サラリーマン時代の私は、周囲の人と表面的なおつきあいしかしてなかったように思います。

そのためか、仕事でご飯を食べられるようになるのに、約2年くらいかかりました。特に最初の1年はキツかったです。売上が月額20万円くらいしかないのに、当時の生活費は月額40~50万円。当時の貯蓄額は300万円ほどでしたが、毎月20~30万円ずつ貯蓄が減っていきました。金銭的に追い込まれていくと、心理的にも追い込まれていき、この苦境を脱するにはどうすればいいのか、考える毎日でした。

営業活動を一生懸命するのは当たり前。トイレ掃除をしたら運が向くと本に書いてあれば、せっせとトイレ掃除をし、タイガーアイというパワーストーンが仕事運や金運を上昇させると聞けば、パワーストーンを買って携帯ストラップにしてみるなど、いろいろ試してみました。

そんな中、私がたどり着いた「飯が食えるようになるための究極の方法」は、周囲の人の役に立つことです。

私はつまらない損得勘定で生きてきた人間です。AさんにいいことをしたらAさんから返ってこないと損した気分になっていました。ある時に発想を変えて、Aさんを通して社会に貢献するのだと思うようにしました。Aさんは社会の窓口。だからAさんから直接返してくれなくても、巡り巡って社会から返ってくればよいのだ、という考え方です。ま、相変わらず損得勘定であることには変わりはないのですが…。

窓口は誰でもOK。友達によいことをしたら巡り巡ってお客様が増える人生イベントが起きるかもしれませんし、お客様によいことをしたら、巡り巡って友達が増える人生イベントが起きるかもしれません。

このように気持ちを切り替えたところ、半年くらいで効果を実感しました。しかも、どうやらよいことをしてから、自分に返ってくるまでのタイムラグがあればあるほど、利息がつくことを体感しました。正直、社会によいことをしようと思ってやったことって、大したことではないんです。懇親会の幹事を自分から積極的に引き受けるとか、そんな程度。でも、半年後に返ってきたと思えることは、それに比べると本当に大きかったんです。

社会に役立つと言っても、自分を犠牲にする必要はありません。社会に役立つ行動を自分自身も心から楽しんで行う。社会の窓口の人達が喜ぶ。その喜んだ顔を見て、さらに自分も嬉しく思う。こんな感じの循環を作り続けていけばいいんだなと思うようになりました。

今もスタッフやお客様などを通して、さまざまなことを学ばせていただいておりますが、創業の頃に学んだ上記のことは、私の考え方の骨格となっています。

・・・と、こんなことをお伝えしてはおりますが、至らないところは星の数ほどございます。家に帰れば家内からしょっちゅう叱られています。職場のスタッフも私のマネジメントに歯がゆい思いをしていたり、内心「そんなことでどうするんだよ!」と思うこともあると思います。身近な人たちほど、ごまかしがききません…。

肩の力を抜きながら、周囲の方々の声を謙虚に受け止め、よりよい接し方、よりよい仕事をご提供してまいる所存です。

引き続き、ご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

PS:写真は2005年(創業2年目)に知人に誘われて、ホノルルマラソンに参加したときの写真です。創業当初の頃の写真を探してみましたが見つからなかったため、代わりにこちらの写真をアップしておきます。

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