【コラム】開業丸20年経ちました。
4社でのサラリーマン経験の後、独立開業したのが2003年11月1日。本日、丸20年を経過し、21年目に入りました。
今の私どもとおつきあいいただいているお客様、かつてお客様だった方々、当社の運営を支えてくださっているお取引先様、普段の生活を支えてくれたり、気持ちをリフレッシュさせてくれている家族・友人・知人など、これまでの私に関わってくれたすべての人に感謝申し上げます。ありがとうございます!
20年前の11月、最初にいただいた仕事は前職の社長からのご依頼で、依頼内容は「引き継ぎ」(苦笑)。退職までに引き継ぎ切れなかったことを引き継ぐ仕事をいただきました。
翌12月は売上ゼロ。1月から定期的な仕事が入りましたが、毎月20万円くらいの売上が続きました。当時は自宅の一部屋を仕事場にして、人も雇用せずにやっておりましたので、仕事にかかる経費はほとんど何もありませんでしたが、それでも毎月の生活費に数十万円追いついておらず、赤字を垂れ流しておりました。
当社では末日に締めて翌月末までにお支払いいただいておりますが、中には請求書が届き次第振り込んでくれる人もいて、ありがたみをしみじみと感じました。
…こういう経験から、今まで気づいていなかったことに気づくことができました。
何といっても仕事をいただけることのありがたさ。私はサラリーマンというよりもダメリーマンの典型でして、上司から新しい仕事を依頼された際、内心「負担が増えるだけ」と思っておりました。
毎月一定の給料をもらっていると、いつの間にか仕事と給料の関係性を忘れてしまったようです。
お客様から仕事をいただいて役に立つ。その結果お客様に喜んでいただいてご料金を頂戴する。こういうよい循環を作り上げることが大切なのだと気づきました。
ただ、それが分かっても、今度はどうやったらお客様からお仕事をいただくことができるのか?この難問が立ちはだかりました。
いろいろと試行錯誤していくうちに、ビジネス・プライベートを問わず、人の役に立つ努力をすることが突破口を開く鍵だと思い至りました。
友達に親切にしたからといって、その友達から仕事をもらうことはほぼありません。でも、友達に親切にすると捉えるのではなく、友達を通して社会の役に立つということではないかと。社会の役に立っていれば、きっと社会から(別の誰かを通して)還元がされるのではないかと考えるようになりました。そういう考え方が私の心身に染み込んできた頃に、ようやく一息つける売上(=生活費を賄えるくらいの売上)になりました。
スタッフがいてくれることのありがたさも身に沁みました。
元々私は部下は不要だと思っていました。サラリーマン時代に「僕のモチベーション上げてくださいよ」みたいなことを言ってきた人もいましたが、「自分のモチベーションくらい、自分で管理しろよ」というのが本音でしたし、人が違う以上、出してくる成果も異なります。仕事が間に合わないんだったら徹夜してでもやるもんだ、というのが自分の当時の本音でした。そんな私の気持ちに同調してくれる人は皆無に等しいですから、煩わしい人間関係に悩まされることなく、一人でやっていこうと思っていたのです。
でも、開業3年目からさまざまな仕事が舞い込んでくれるようになり、お客様の期待に応え続けるためには、誰かに助けてもらわざるを得ない状況に追い込まれました。
そこで(正直に言えばやむを得ず)スタッフを雇用しました。スタッフは業界未経験でしたから、何もできないところからのスタートです。それでも彼は頑張ってくれまして、1年後には仕事がだいぶできるようになりました。
私の仕事の一部を手伝ってくれる人の存在は、実はとてもありがたいことなんだということがよく分かりました。私一人がどんなに頑張ってもできないことがある。それを彼が担ってくれることで、私も助かるし、お客様も助かるわけです。
この勢いで二人目を雇用しましたが、この二人目がまたありがたい。私にないものをたくさん持っていたからです。二人目のスタッフは細かい仕事が得意です。また、私が「こうしたい」ということを反対してくることもあります。もちろん反対されていい気はしませんが、そのスタッフが反対してくれたおかげで結果として助かったことも何度もあります。今は「もう一人の自分の声」だと自分に言い聞かせて、そのスタッフの反論を聞くように心がけています。
売上は山あり谷あり。リーマンショックのあおりを受けたときは、ホント苦しかったです。でも、開業していなければ、素晴らしいお客様や信頼できるスタッフと知り合う機会はありませんでした。こうした方々が私の人生を支えてくださっていることに、心からありがたいと思っています。
お客様やスタッフを通して、社会から支えていただいているし、これからも支え続けてもらうことになることは間違いありません。私も微力ではありますが、全力で社会を支える側にも回ろうと思っております。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
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