【コラム】幸せな気持ち

「しあわせ」という言葉があります。この言葉は「し」+「あわせ」で構成されておりまして、「することA」と「することB」が「合わさる」という意味合いが語源だと言われています。

することとすることが合わされば、時にはよい結果となることもありますし、好ましくない結果となることもあります。

こうしたことから、江戸時代くらいまでは「今日はよいしあわせがあった」「今日は悪いしあわせがあった」という具合に使われていたそうです。

それがいつの間にやら「よいしあわせ」だけを「しあわせ」と言うようになり、現在に至っています。

それでは昔の人は、今でいう幸せのことを何と言っていたのでしょう?どうやら「さいわい」という言葉がその筆頭候補になるようです。

「さいわい」の元は「さきわい」。さらにその元をたどると「さき」+「はひ」となります。

動詞にすると「さく」+「はふ」(=今の表記法だと「はう」)になります。

「さく」は「咲く」「割く」「裂く」などという漢字が当てられますが、どれにも「元々一つだったものが複数のものに分かれる」という共通イメージがあります。

「咲く」でいうと、つぼみでぎゅっと一つにまとまっていたものが、複数の花びらに分かれるということです。

「はふ」は「ツタが這う」という具合に、「周りに広がっていく」というイメージです。

ということで、「さきはふ」という言葉は、たくさんの花が咲き誇っているイメージを伝えています。

昔の人は、心の中にお花畑が広がっていくような気持ちを「幸せな気持ち」としてイメージしていたのかもしれませんね。


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