【コラム】出産で死んだのに安産の神!?
私、日本の神話が大好きです。
日本の神話にはさまざまな神様が登場しますが、その神様の中にイザナミという神様がいます。この神様、「安産のご利益」で有名です。
イザナミは夫のイザナキと協力して、日本の国土を生み、さまざまな神様を生みました。
国土や神様をたくさん生んだことで、「安産」のご利益があると言われるようになったのでしょう。
ただ、「あれっ?」と思うこともあるんですよ。イザナミの死因は「出産」だからです。
イザナミは火の神様を生んだときに大火傷を負ってしまい、それが原因で死んでしまいました。
出産が原因で死んだのに、「安産の神」と言えるんでしょうか?
一方、イザナミから生まれた火の神様は、カグツチという神様。
カグツチのご利益は「防火」。
これもおかしくないですか?
火を防ぐどころか、自分の火が原因で母を死なせてしまっているんです。
でも、実はおかしくもなんともないんです。
ここから先は私の勝手な想像、というか妄想です。
イザナミは、出産という行為はとても大切なものではあるけれど、常に危険と隣り合わせであることが骨身にしみました。
カグツチも同じです。火は便利なものではあるけれど、使い方を誤ると人を死に至らしめてしまうことが、骨身にしみました。
そして、この気づきを経て、二人とも「こんな思いをするのは自分だけで十分だ。他の人にはこんな思いはさせないぞ!」と決意したんだと思います。
この決意が「安産」「防火」のご利益につながったのではないでしょうか。
私達も生きていれば、さまざまな目に遭います。
数十年も生きていれば、時にはつらいこともあったでしょうし、悲しいことを経験した人もいらっしゃると思います。
この「つらい経験」「悲しい経験」をどのように位置づけるかがポイントです。
もし、これらの経験をバネにして、
「あんな思いは自分ひとりでたくさんだ。もう誰にもあのときの気持ちを味わわせないぞ!」
と決意し、行動するのなら、その人は「神様モード」に入った人だと、私は思います。
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